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技術士第二次試験合格体験発表
天 内  豊(技術士:建設部門)
1.はじめに
 これから、技術士を目指す皆様は、平成19年度試験制度の変更内容や、各自の専門部門毎の論文記述方法等についても、十分周知しているものと思いますので、ここでは、もっぱら精神論的取り組みなどについての、記述とさせて頂きます事を予めお断りいたします。
2.合格までの経緯
 平成13年、軽い気持ちで受験、当然不合格。
平成14年、経過措置最後の年、ものすごい先生との出会いがあった研修会に参加し受験したが、結果は不合格。
 平成15年、一次試験からの再スタート、不合格。
 平成16年、本腰を入れて再チャレンジ、ようやく一次試験に合格。
 平成17年、やっとの想いでつかんだチャンス、無駄にはしたくないと、気を引き締めて受験、本当に幸運にも合格。
 このように、5年の歳月をかけた長い道のりの末のやっとの合格です。今改めて感じている合格への最終要因は、ある先生との出会いと、天の助けによるものだと考えており、この二つのことについて、これからお話します。
3.ある研修会での、ものすごい先生との出会い
 平成14年2月、私は東京まで出向いて、技術士受験のためのある研修会に参加しました。研修費や交通費を考えれば、大きな出費でしたが、そこまでしないことには、合格はないものとの一大決心から臨んだのですが、そこで、ある先生との衝撃的な出会いがあったのです。
 研修初日、その先生の第一声は、「君達は、合格するための答えが欲しいと、ここに来たと思うが、そんな簡単な答えなんかある筈が無い」でした。
 「だったら、なんでこんな研修会を開くんだ?」と思いつつも、なぜかこのこわもての先生に一発で惹かれてしまいました。
 夜中の2時頃、「ようやっとるか?」と、突然、九州から電話をかけてくるような、とにかく並でない人で、技術士受験に対する精神論的な心構えは、その先生から教わったようなものです。
 しかし、その一年後、合格の報告ができないままに、その先生は他界なされてしまいました。今、こうして合格することができたのも、その先生のおかげだと思っていますし、一生忘れてはならない私の恩師であると思っています。
4.研修会で学んだこと
 そんな先生が主催する研修会で学んだことは、

@ 自分自身が体験した真実を深く掘り下げること。
A 要約と詳述による添削を繰り返すこと。
B 求められている技術士とは何かを追究すること。

の3点にまとめられると思います。
 分かり易く、的確に、自分自身の創意工夫点を記述する訓練として、最初600字程度にそれを記述させ、今度はそれを100字程度に要約するために、何回も何回も添削を受けながら、やっとまとまった要約文を今度はまた600字に詳述するという訓練でした。
 つまり、自分の考えを、自分の言葉で、しかも、独りよがりでない文章に仕上げるための訓練だったのです。今振り返ってみると、この非効率的な文章表現の訓練が、大いに役立ったものと感じております。
5.記述試験時の天の助け
 合格できた要因として、先ほどの先生との出会いと、天の助けを挙げましたが、今度はその天の助けについて、お話します。
 平成17年は、1月2日から、自分で言うのもなんですが、本当に勉強しました。私が受験した、建設部門−施工計画、施工設備及び積算では、経験論文が2例詳述ですが、1例目は早々に仕上がったものの、2例目については、すでに合格している友人や会社の同僚の添削を受けながら、約20回程書き直しました。
 この2例目の論文を仕上げるのに、1ヶ月を費やしてしまい、受験までの計画工程が大幅にズレ込んでしまいましたが、しかし、逆にこれが効を奏し、論文の暗記にそれほどの時間をかけなくても、経験論文に関しては、本番ではなんとか書き上げることができたように思います。
 しかし、その先に落とし穴があったのです。
 午前中の経験論文、午後の建設一般論文までは、なんとか書き上げたものの、専門選択論文の2題詳述の2題目がなかなか思うように書けなくなり、手が止まってしまったのです。
 焦りの中、残り時間を考え、後回しにしていた択一問題を慌てて解き、解答番号を問題用紙に控える間もなく、残り1題の専門選択論文に再度取り組み、「やめてください」の声がかかるまで、粘りました。
 正直、経験論文や建設一般論文の仕上がり具合と、専門選択論文のそれとのギャップを感じ、「今年もダメかな」と落ち込んで、試験会場を後にしたのを記憶しています。
 しかし、結果は、合格。これが第1回目の天が味方した話です。
 第1回目というからには、2回目がありまして、それが次の口頭試験だったのです。
6.口頭試験時の天の助け
 心臓が、口から出てくるのではないかと思いながら始まった口頭試験は、「もう時間になりましたので、これで終わります」という所までで、丁度30分でした。
 やっと返答にも慣れ、落ち着きが出始めた中頃に、例の落とし穴が待ち構えていました。
 「あれ!!、あなたのこの経済比較表の単位、間違えていませんか?」の一言で、頭の中が真っ白。
 「1m当りの工事費に換算すると、随分安価だと思うんですが、どうですか?」と追い討ち。
 「そんなことはない筈ですが・・・。」と、答えになっていない私の返答。
 その後の質問に、何をどう答えたのか、思い出せないほどのショックを引きずりながら、「ありがとうございました」と退室した直後に、「あ!!」、あの比較表は、仮設費の比較であり、本体工事費は含んでいないものであることを、思い出しましたが、時すでに遅しです。
 ここでも、またまた「今年は、ダメか」と落ち込んで、東京を後にしました。しかし、結果は、合格。これが、2回目の天が味方した話です。
 ちなみに、試験官2名の内、年配の方が持っていた私の解答論文のコピーは、全体が赤く見えるほど、赤ペンによるチェックが入っており、本当に頭が下がる想いでした。
7.まとめ(天は見捨てない)
 以上、私の合格は、挫折と天の助けの連続であり、これから真剣に技術士を目指そうとしている皆様には、参考になるような体験記ではなかったかも知れませんが、最後のまとめとして、

@ 求められている技術士とは、を深く深く考えること。
A 独走ではない、独創的創意工夫を、自分の言葉で、分かり易く、述べること。
B 非効率的に、ひたすら書くことに専念すること。

の3点を私のアドバイスとさせて頂きます。
 最後の最後まで、諦めずに取り組んできたご褒美に、最後の最後は、天が我を見捨てなかったものと想っています。
 そして、この幸運に感謝しながら、世に貢献するための継続研鑚を、お誓い申し上げて、体験記を終わります。どうか皆さんも、最後の最後まで諦めずに、頑張ってください。
以上

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